「師匠、洗脳目的はどうだい? 次期当主を洗脳して教育すれば、今後も元老院に刃向かうことがなくなるんじゃ? 危険分子を若い内に摘み取っておこう…みたいな」
「うん…。だけど普通に考えて…五皇さえいれば、紫堂が反乱を企ててもすぐに鎮圧されるだろう。五皇とはそれ程の絶大なる力を持つ者だ。老齢の白皇でさえ、五皇の介入あってそして自ら滅ぶことによって終幕出来たんだからね。
元老院の命令1つで五皇が動けば、紫堂はすぐ壊滅出来る。つまりわざわざ次期当主を洗脳教育しなくてもいいんだ。彼らにとっては、櫂や僕など…虫ケラ程度じゃないか?」
「玲様。五皇の力は…紫堂の血に連なる者と聞きました。だとすれば、元老院の意思関係なく、五皇が…その源流だから保護するという理由は成り立ちませんか?」
「うん、桜。僕もそれを真っ先に考えた。だけどね、教育係というものは…次期当主の人格形成に作用する大事な役目。そこに五皇の意思が関わるというのなら、紫堂はその五皇の色に染まるだろう。
そんな大事なことを、元老院は許すだろうか。
元老院にとって、紫堂に対して上に出ていられるのは、五皇の存在あってこそだ。そこにもしも五皇が反乱を企てていたとしたら、五皇の部下が出来上がることになる。
五皇は絶対的忠誠が基本。それを信じるしか、元老院は出来ないんだ。
五皇の勝手は許さないだろう。必ず元老院の意図があるように思えるんだ。
僕達の教育係はどうして紅皇だったんだろう?
今の五皇色は、昔のものとは違う。前の黄皇が廃され氷皇が入り、赤皇の代わりに紅皇となった。そしてその紅皇が、紫堂の教育係として関わってきたのは…現当主が最初なんだ。
元老院は、何で新参者の紅皇を遣わしたのか…」
今更乍ら、考えれば考える程、おかしなことばかり。
「ね、玲くん当主は今何歳?」
「当主? 今は……3…9歳かな?当主になった時期?ええと…16…年前くらいになるのかなあ」
「だったら、当主になった時は…23歳か。え? 計算早い? 引き算は、値引き品の計算で慣れてるから」
芹霞は何やら考えて、僕の顔を見つめながら言った。
「えっと…今、紅皇さんは…何歳だっけ?」
「そんなの君がよく…「師匠、ストップ!!!」
「24歳です」
うっかりと口を滑らしそうになってしまった僕に代わり、桜が返答してくれた。
「だったらさ、紅皇サン…8歳至らぬ年で、23歳の当主の教育係してたの?」
………。
言われてみれば。

