シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



「クマが言うには…」


――俺も詳しいことは聞いていないが…氷皇曰く、"約束の地(カナン)"は、TIARAを凝縮させた…検証を兼ねた"実験"に使われたという。

――模倣、増殖、複製、寄生…本来なら魔方陣が壊れて、輪廻の円環で"実証"されるはずだった。

――しかし魔方陣が破壊されず、無事だということがもし判れば…また"約束の地(カナン)"の魔方陣は狙われるだろうと。それが判明するまでに5日かかるらしい


"約束の地(カナン)"の魔方陣が壊れて実証される実験であるのなら。

だから"約束の地(カナン)"を壊したと?

それこそが…久涅の、黒皇の必然だと?


「加えて紫堂曰く…東京において、師匠達が見たという黒い塔付近には、多分似たような魔方陣があるはずだって。

黒い塔は、以前"約束の地(カナン)"で師匠と紫堂と如月が魔方陣を同時破壊したのを真似するものであるなら、"本番"では東京と"約束の地(カナン)"の魔方陣同時破壊が行われる可能性があるって」


「破壊!!? そんなの駄目だよ!!! 久遠が、久遠が!!!」


芹霞が騒いでいる。

それを見ながら僕を目を細めた。


「魔方陣の破壊…」


その時、桜が言葉を発した。


「玲様。桜と煌と…上岐物産の地下にて、魔方陣を見ました。"エディター"らしき魔女と七瀬紫茉が儀式を行っており、そこから…朱貴に"約束の地(カナン)"に道を拓いて貰ったんです」


…そのことは煌からも聞いた。


「紫茉ちゃん!!!? 紫茉ちゃんは!!!?」


芹霞が桜に食いついた。


「周涅の元に…」


凄く言い辛そうに。


「大丈夫、芹霞。また逢えるはずだよ?」


僕の…相手として、近い内に。


「本当!!? 嬉しい、紫茉ちゃああん!!!」


芹霞は歓喜の涙を浮かべている。


ミコさんが紫茉ちゃんだと知れば…芹霞はどんな反応をするのだろうか。


「葉山、"エディター"は?」

「燃えました。紅皇の金翅鳥(ガルーダ)で」


「本当に…燃えて消えたのかね? 桜が見たのが、桜華みたいに…使い魔の可能性もある。むしろ…そちらの可能性が強い気がする。」


それは今後、明らかになるだろうけれど。


上岐妙。

黄幡一縷。


特に上岐妙には、本当に関わり合いたくはないけれど。


あの意識の底、僕に似た偽者作って…それに満足出来る女なんだろうか。