「蒼生ちゃんは"孤高"…。独りぼっちと言われているみたい」
ある意味…そうかもしれない。
彼は大体が単独行動だ。
腹心が居ても、基本1人で謀略を企て動く。
必然の為だけに僕達に絡む。
緋狭さんのように…"心"で接して僕達を導いてくれるわけではなく。
あくまで功利的で一方的なものだから、誰も懐かない。
たった1人で――
元老院にまで君臨する孤高の五皇。
彼にとって、自らの動きは必然であっても、周囲にはそれが奇抜としか思えず、圧倒的なその力の崇拝者は居ても、理解者は居ないだろう。
彼は…"心"を封じている。
緋狭さんとつるんでいるように見えるけれど…
腹の底では牽制し合っている風にも見て取れるんだ。
賭けゲームの結果として、負けた方が勝った方に協力しても。
例え上司と部下という上下関係があっても。
目的が同じだから共にいるのであり、もしも道を違えたのなら…本当に2人がぶつかったのなら、どうなるのか判らない。
最強の紅皇と氷皇。
足でのし上がった氷皇に、唯一手を使わせた紅皇。
そんな事態が過去あったとすれば、それはどんな状況で?
僕は…そちらの方が気になるんだ。
遊びで対戦したのか、本気だったのか。
僕は、紅皇も氷皇も…何1つ知らない。
「緑…ってさ、今まで話題にのぼらなかったよね。"変化"? 変化しているから判らないの?」
「そうだね。それからもう1人。黒皇の特徴は…"無効"か。そうか、無効か。……。……。無効…。無効!!!?」
由香ちゃんは驚いた顔で、声をひっくり返してしまった僕を見て。
「そうだ、師匠!!! 紫堂が言ってたんだ。
久涅が…黒皇だって。
ああボク…今の今まで紫堂との会話を忘れてたよ!!!」
「櫂が?」
「うん。久涅の背中に…あったらしいんだ。黄の印が」
「「久涅が黒皇!!!?」」
芹霞と桜が同時に声を上げ、顔を見合わせている。

