シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



「蒼生ちゃんは"孤高"…。独りぼっちと言われているみたい」


ある意味…そうかもしれない。

彼は大体が単独行動だ。

腹心が居ても、基本1人で謀略を企て動く。


必然の為だけに僕達に絡む。

緋狭さんのように…"心"で接して僕達を導いてくれるわけではなく。

あくまで功利的で一方的なものだから、誰も懐かない。


たった1人で――

元老院にまで君臨する孤高の五皇。


彼にとって、自らの動きは必然であっても、周囲にはそれが奇抜としか思えず、圧倒的なその力の崇拝者は居ても、理解者は居ないだろう。


彼は…"心"を封じている。


緋狭さんとつるんでいるように見えるけれど…

腹の底では牽制し合っている風にも見て取れるんだ。


賭けゲームの結果として、負けた方が勝った方に協力しても。

例え上司と部下という上下関係があっても。


目的が同じだから共にいるのであり、もしも道を違えたのなら…本当に2人がぶつかったのなら、どうなるのか判らない。

最強の紅皇と氷皇。


足でのし上がった氷皇に、唯一手を使わせた紅皇。


そんな事態が過去あったとすれば、それはどんな状況で?


僕は…そちらの方が気になるんだ。


遊びで対戦したのか、本気だったのか。

僕は、紅皇も氷皇も…何1つ知らない。



「緑…ってさ、今まで話題にのぼらなかったよね。"変化"? 変化しているから判らないの?」


「そうだね。それからもう1人。黒皇の特徴は…"無効"か。そうか、無効か。……。……。無効…。無効!!!?」


由香ちゃんは驚いた顔で、声をひっくり返してしまった僕を見て。


「そうだ、師匠!!! 紫堂が言ってたんだ。

久涅が…黒皇だって。

ああボク…今の今まで紫堂との会話を忘れてたよ!!!」


「櫂が?」


「うん。久涅の背中に…あったらしいんだ。黄の印が」


「「久涅が黒皇!!!?」」


芹霞と桜が同時に声を上げ、顔を見合わせている。