「肉食が嫌いならよ、肉に飽きているらしい久遠なんてどうだ?」
煌は尚も問いかける。
『お答えします。オレ様は仕事だけでもう懲り懲りです。例え"あの域"に行き着いていても、お断りします』
「ニノって…玲も久遠も知っているのか?」
それが素朴な疑問で。
『お答えします。知らないとお答えするように、プログラムされています』
………。
本当に…プログラムなんだろうか?
そんな疑問も湧いてきたけれど。
「お? 何だかんだくっちゃべって歩いていたら、崖が終わって…広場に出たぞ?」
それは…見慣れた石畳の街並み。
これは…。
「「"約束の地(カナン)"のショッピング街か!!?」」
俺と煌は同時に声に出す。
『お答えします。それを模して作られています』
模す…即ち、何らかの仕掛けがある偽装(フェイク)街、か。
本物は――
蛆だらけになり、荒廃してしまった。
その何処までが幻で、何処までが現実か…境界は曖昧で。
しかし唯一確かなのは…確実に外界の奴らが何かを細工をしたこと。
それは…"約束の地(カナン)"を破滅に導くもので。
挙げ句の果てには…爆破された。
――馬鹿じゃないのか、お前。
久遠にとって、唯一生きれる場所を奪った…その代償は大きいぞ、久涅。
俺だって久遠だって。
煌だって玲だって桜だって、全員が全員…。
やられたままで終わらせる気はない。
『告知します』
ニノの台詞が変わった。
『これより行うのは…
"イロオニ"です』
「イロオニって…鬼ごっこの?」
昔、よく芹霞と遊んだ気がする。
オニが指定する"色"を触ればセーフ、触ることが出来ねばオニが追いかけてきて、触れられたらオニ交代…そんな遊びだったはずだが。
『お答えします。基本はその鬼ごっこですが、これはオニは変わりません。ですので、変形版です』
俺は目を細めて、iPhoneを見つめる。

