シンデレラに玻璃の星冠をⅢ




「肉食が嫌いならよ、肉に飽きているらしい久遠なんてどうだ?」


煌は尚も問いかける。


『お答えします。オレ様は仕事だけでもう懲り懲りです。例え"あの域"に行き着いていても、お断りします』


「ニノって…玲も久遠も知っているのか?」


それが素朴な疑問で。


『お答えします。知らないとお答えするように、プログラムされています』


………。


本当に…プログラムなんだろうか?

そんな疑問も湧いてきたけれど。



「お? 何だかんだくっちゃべって歩いていたら、崖が終わって…広場に出たぞ?」


それは…見慣れた石畳の街並み。


これは…。


「「"約束の地(カナン)"のショッピング街か!!?」」



俺と煌は同時に声に出す。


『お答えします。それを模して作られています』


模す…即ち、何らかの仕掛けがある偽装(フェイク)街、か。


本物は――

蛆だらけになり、荒廃してしまった。

その何処までが幻で、何処までが現実か…境界は曖昧で。

しかし唯一確かなのは…確実に外界の奴らが何かを細工をしたこと。


それは…"約束の地(カナン)"を破滅に導くもので。

挙げ句の果てには…爆破された。


――馬鹿じゃないのか、お前。


久遠にとって、唯一生きれる場所を奪った…その代償は大きいぞ、久涅。


俺だって久遠だって。

煌だって玲だって桜だって、全員が全員…。


やられたままで終わらせる気はない。




『告知します』




ニノの台詞が変わった。



『これより行うのは…

"イロオニ"です』


「イロオニって…鬼ごっこの?」


昔、よく芹霞と遊んだ気がする。


オニが指定する"色"を触ればセーフ、触ることが出来ねばオニが追いかけてきて、触れられたらオニ交代…そんな遊びだったはずだが。


『お答えします。基本はその鬼ごっこですが、これはオニは変わりません。ですので、変形版です』


俺は目を細めて、iPhoneを見つめる。