「で、確認はどうだったんだ?」
チビは頬を摩りながら、答える。
「ん……。途切れる場所が、また変わったんだ。今度はセリカを過ぎたあたりと、ゴボウを過ぎたあたり。どうして変わったの?」
「んなこと俺が聞きたいよ」
都度、鉄の胡桃の途切れる場所が変わるって?
確認のために再度天に飛ばしたのに、さらなる厄介な問題ぶら下げてきたチビリス。
もう一度飛ばしたら、また位置が変わるのだろうか。
「なあ、お前の胡桃は、トコトコ移動できるのか?」
するとむきになってチビリスが言い返す。
「できるわけないだろう? 胡桃には意思も足もないもの。そんな胡桃は化け物じゃないか。お前馬鹿!?」
俺は、カッチーンだ。
「たとえ話に決まってるだろ!? 胡桃が意思を持って歩くものじゃねえことくらい、俺だって判るわ!!」
「なんで僕が怒られるの!? お前が変なことを言うから悪いんじゃないか」
「お前が俺を馬鹿だっていうからだろ!?」
「だって本当のことだろう!?」
「お前に言われたくねえわ。俺の常識が通用しないことがある裏世界なら、これもそういう類の特殊事情なのかってただ聞いてみただけ……、……っ、俺達内輪もめしている暇はねえな」
「くっ……!! そうだよね、ここはひとまず休戦しよう。はい握手」
「おう」
俺はチビと握手した。
俺もチビも、うまくいかねえことがイライラして、必要以上にカッとなってしまうらしい。
落ち着け、落ち着け、俺。
深呼吸をして、再び事態を考えてみた。
チビの鉄の胡桃はただの物体らしい。
動くことがねえのに、おかしなところで途切れる胡桃。
つまり、想定外の異常事態が発生しているのは確か。
そしてもうひとつ、思いつきたくもねえのに、難問が発生したことを悟ってしまった。
「セリカを過ぎたあたりと、小小々猿のあたりっていうと、2の石碑と8の石碑ってことだよな。お前、9の石碑と1の石碑の両端から究極奥義を発動したんだろう?」
「うん。石碑の場所は覚えているからばっちし。両方共、3つめに至る前に消えちゃった。ぐすっ」
そうなんだ。
チビが牛女のいる1の石碑と、俺達がいる9の石碑から技を炸裂したのだというのなら、おかしすぎるんだ。
確かに俺達は、石碑移動をしていた間、遠回りしたり近道したり、とにかく二度と同じ道を踏まないように走ってきた。
だから数字が隣あう石碑間に距離の違いこそあれ、俺の記憶が正しければ、俺が聞いた奥義の"バリバリ"音と、チビが確認した開始から消えた部分までの距離感が明らかに違う。

