シンデレラに玻璃の星冠をⅢ




「で、確認はどうだったんだ?」

チビは頬を摩りながら、答える。


「ん……。途切れる場所が、また変わったんだ。今度はセリカを過ぎたあたりと、ゴボウを過ぎたあたり。どうして変わったの?」

「んなこと俺が聞きたいよ」


都度、鉄の胡桃の途切れる場所が変わるって?

確認のために再度天に飛ばしたのに、さらなる厄介な問題ぶら下げてきたチビリス。

もう一度飛ばしたら、また位置が変わるのだろうか。


「なあ、お前の胡桃は、トコトコ移動できるのか?」


するとむきになってチビリスが言い返す。


「できるわけないだろう? 胡桃には意思も足もないもの。そんな胡桃は化け物じゃないか。お前馬鹿!?」


俺は、カッチーンだ。


「たとえ話に決まってるだろ!? 胡桃が意思を持って歩くものじゃねえことくらい、俺だって判るわ!!」

「なんで僕が怒られるの!? お前が変なことを言うから悪いんじゃないか」

「お前が俺を馬鹿だっていうからだろ!?」

「だって本当のことだろう!?」

「お前に言われたくねえわ。俺の常識が通用しないことがある裏世界なら、これもそういう類の特殊事情なのかってただ聞いてみただけ……、……っ、俺達内輪もめしている暇はねえな」

「くっ……!! そうだよね、ここはひとまず休戦しよう。はい握手」

「おう」


俺はチビと握手した。


俺もチビも、うまくいかねえことがイライラして、必要以上にカッとなってしまうらしい。

落ち着け、落ち着け、俺。


深呼吸をして、再び事態を考えてみた。


チビの鉄の胡桃はただの物体らしい。

動くことがねえのに、おかしなところで途切れる胡桃。


つまり、想定外の異常事態が発生しているのは確か。


そしてもうひとつ、思いつきたくもねえのに、難問が発生したことを悟ってしまった。


「セリカを過ぎたあたりと、小小々猿のあたりっていうと、2の石碑と8の石碑ってことだよな。お前、9の石碑と1の石碑の両端から究極奥義を発動したんだろう?」

「うん。石碑の場所は覚えているからばっちし。両方共、3つめに至る前に消えちゃった。ぐすっ」


そうなんだ。

チビが牛女のいる1の石碑と、俺達がいる9の石碑から技を炸裂したのだというのなら、おかしすぎるんだ。


確かに俺達は、石碑移動をしていた間、遠回りしたり近道したり、とにかく二度と同じ道を踏まないように走ってきた。

だから数字が隣あう石碑間に距離の違いこそあれ、俺の記憶が正しければ、俺が聞いた奥義の"バリバリ"音と、チビが確認した開始から消えた部分までの距離感が明らかに違う。