シンデレラに玻璃の星冠をⅢ




その時、俺にひらめくものがあり、俺はチビに言った。


「おい、お前空間なんたらという能力が優れて、"一筆書きする鉄の胡桃ポイポイ隊"に任命されたのなら、奥義発動した後、どこまで雷が進んでいるのか確認しろ」

「しくしくし……え?」


「いいか、奥義は変形して進化するものだ。名付けて、『ジャンピングサンダーボルトアタック』!!」

「え、じゃんぴ……え、えええええ!!?」


俺は問答無用で頭上のチビを摘んで思い切り高く、天に向けて放り投げた。


もうここからは点として、かろうじて見える程度。

俺はチビに向けて怒鳴った。


「チビ、出来るオスなら、究極の奥義を作動!!」


微かに慌てふためくチビの声が聞こえた……気がした。


「あ、あわわ……出来るオスは、どんな場合でも柔軟仕上げ。じゃあ行くよ!?」


……お前は柔軟剤の回し者か。



「究極奥義~」



暗い空に、雷鳴がとどろき始めた。



「ジャンピング~」


あちこちに光る稲妻。



「サンダーボルト~」


地面の鉄の胡桃が青白く光る。



「アタ~~~~ックッッッ!!!」


青白い雷が、地面を削るようにして凄まじい速さで走る。

さっきまでより威力がアップしたのは、"究極"という言葉が奥義名に追加したせいなのか。

究極にまで力を高められるのは、凄いリスだ。

底が知れねえ。


バリバリバリ。

地を伝うその音は、やはり途中で立ち消えた。


そして――。


「ぎゃあああああああ!!」


次第に大きくなるその声。


「潰れリスは嫌だああああ!!」


四肢をばたばたさせたチビリスが天から降ってきた。


それを平然と片手で受け止めた俺は、


「ご苦労さん。で?」


掌に大の字になって、ぐったりしているチビリスは、恐怖に引きつった顔をしているものの、


「真ん中で……消えた」


涙声でそう言った。

「セリカのとこ、櫂のとこ、猿のとこまで行ったらなくなった。鉄の胡桃が……見えなかった」


その道が難アリというのなら、誰が補修に一番近い?


「よしご苦労。じゃあもう一回いけ。確認だ」

「ええええ!!?」

「チビ。出来るオスは常に進化を続けるものだ。名づけて、『ジャンピングサンダーボルトアタック、セカンド』!!」

少しばかり、得意気になって俺が言ったのに、

「……長っ…」

リスにはお気に召さなかったようで。

「うるせえな。あの小猿ですらめちゃくちゃ長い、わけもわからねえものを覚えて唱えてるんだぞ!? お前は猿以下か!!?」

「違うよ!! よし、僕がんばる!!」


リスを動かすのは、リス以下だと思われている猿の存在。

比較もされたくないらしいチビリスは、鼻をひくひくさせながら、むっくりと起き上がって、なぜか屈伸運動を始めた。