その時、俺にひらめくものがあり、俺はチビに言った。
「おい、お前空間なんたらという能力が優れて、"一筆書きする鉄の胡桃ポイポイ隊"に任命されたのなら、奥義発動した後、どこまで雷が進んでいるのか確認しろ」
「しくしくし……え?」
「いいか、奥義は変形して進化するものだ。名付けて、『ジャンピングサンダーボルトアタック』!!」
「え、じゃんぴ……え、えええええ!!?」
俺は問答無用で頭上のチビを摘んで思い切り高く、天に向けて放り投げた。
もうここからは点として、かろうじて見える程度。
俺はチビに向けて怒鳴った。
「チビ、出来るオスなら、究極の奥義を作動!!」
微かに慌てふためくチビの声が聞こえた……気がした。
「あ、あわわ……出来るオスは、どんな場合でも柔軟仕上げ。じゃあ行くよ!?」
……お前は柔軟剤の回し者か。
「究極奥義~」
暗い空に、雷鳴がとどろき始めた。
「ジャンピング~」
あちこちに光る稲妻。
「サンダーボルト~」
地面の鉄の胡桃が青白く光る。
「アタ~~~~ックッッッ!!!」
青白い雷が、地面を削るようにして凄まじい速さで走る。
さっきまでより威力がアップしたのは、"究極"という言葉が奥義名に追加したせいなのか。
究極にまで力を高められるのは、凄いリスだ。
底が知れねえ。
バリバリバリ。
地を伝うその音は、やはり途中で立ち消えた。
そして――。
「ぎゃあああああああ!!」
次第に大きくなるその声。
「潰れリスは嫌だああああ!!」
四肢をばたばたさせたチビリスが天から降ってきた。
それを平然と片手で受け止めた俺は、
「ご苦労さん。で?」
掌に大の字になって、ぐったりしているチビリスは、恐怖に引きつった顔をしているものの、
「真ん中で……消えた」
涙声でそう言った。
「セリカのとこ、櫂のとこ、猿のとこまで行ったらなくなった。鉄の胡桃が……見えなかった」
その道が難アリというのなら、誰が補修に一番近い?
「よしご苦労。じゃあもう一回いけ。確認だ」
「ええええ!!?」
「チビ。出来るオスは常に進化を続けるものだ。名づけて、『ジャンピングサンダーボルトアタック、セカンド』!!」
少しばかり、得意気になって俺が言ったのに、
「……長っ…」
リスにはお気に召さなかったようで。
「うるせえな。あの小猿ですらめちゃくちゃ長い、わけもわからねえものを覚えて唱えてるんだぞ!? お前は猿以下か!!?」
「違うよ!! よし、僕がんばる!!」
リスを動かすのは、リス以下だと思われている猿の存在。
比較もされたくないらしいチビリスは、鼻をひくひくさせながら、むっくりと起き上がって、なぜか屈伸運動を始めた。

