「それより、確かに芹霞の言う通り、偶然にしては出来すぎだな。意味がありそうだ」
「だけど出現場所は一定してませんよね」
◎に矢印は直接関係ありそうには思えない。
しかし、矢印もまた何かのヒントだ。
「何が隠されているんだ……。歌詞はどうでもいい。一周分の長さと、記号と矢印。恐らくそれがヒントだ」
「師匠、邪気眼かい!!?」
「玲くん、邪気眼!!?」
………。
「そうだね」
どうでもいいや。
彼女達が笑顔になるのなら、僕も邪気眼持ちになってもいいや。
僕は廊下を観察する。
ドナーツ状で終わらない建物内部。
しかし必ず移動する手段はあるはずで。
右側は壁。
左側はドア。
しかしそのドアも反対側に出るだけの通り道。
だけど。
「どうしました、玲様」
だけどもし――。
僕は芹霞を両手に抱いて、立上がった。
「由香ちゃん、また行進お願いしたい」
「へ?」
「芹霞、歌って。桜、さっきと同じテンポで手拍子」
「は、はい……」
「りすりす小……♪」
「ストップ。違う、ここじゃない」
僕は2枚目の紙を見ながら、芹霞の歌を止める。
「師匠、なんだよ~」
前のめりになった由香ちゃんから苦情がくるが、それに構わず皆を引き連れて、前に進む。
「ここかな。芹霞、また歌スタート」
「う、うん…。りすりす小……♪」
「ストップ。ここじゃない」
「師匠、なんなのさ~。さっきから、りすりす小……♪だけだぞ?」
またもや前のめりの由香ちゃん。
「起点を探しているんだ」
「起点……ですか?」
「そう。由香ちゃんの歩幅で5歩目にドアがあり、さらに3歩目でまたドアがある場所を」
「「「は?」」」
「この記号は、不定期に並ぶドアを示していると思う」
「しかし玲様。ドアは反対に通じるものでしか……」
「あるんだよ、きっと。そうではない部屋が」
「あった処で、何処にでるというのさ?」
僕は一呼吸おいて答えた。
「推測だけれど……。多分、上下どちらかに続く……階段」
「「「は?」」」

