シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



「それより、確かに芹霞の言う通り、偶然にしては出来すぎだな。意味がありそうだ」

「だけど出現場所は一定してませんよね」


◎に矢印は直接関係ありそうには思えない。

しかし、矢印もまた何かのヒントだ。


「何が隠されているんだ……。歌詞はどうでもいい。一周分の長さと、記号と矢印。恐らくそれがヒントだ」


「師匠、邪気眼かい!!?」

「玲くん、邪気眼!!?」


………。


「そうだね」


どうでもいいや。

彼女達が笑顔になるのなら、僕も邪気眼持ちになってもいいや。


僕は廊下を観察する。


ドナーツ状で終わらない建物内部。

しかし必ず移動する手段はあるはずで。


右側は壁。

左側はドア。


しかしそのドアも反対側に出るだけの通り道。



だけど。


「どうしました、玲様」


だけどもし――。



僕は芹霞を両手に抱いて、立上がった。


「由香ちゃん、また行進お願いしたい」

「へ?」

「芹霞、歌って。桜、さっきと同じテンポで手拍子」

「は、はい……」



「りすりす小……♪」

「ストップ。違う、ここじゃない」


僕は2枚目の紙を見ながら、芹霞の歌を止める。


「師匠、なんだよ~」


前のめりになった由香ちゃんから苦情がくるが、それに構わず皆を引き連れて、前に進む。


「ここかな。芹霞、また歌スタート」

「う、うん…。りすりす小……♪」

「ストップ。ここじゃない」

「師匠、なんなのさ~。さっきから、りすりす小……♪だけだぞ?」

またもや前のめりの由香ちゃん。


「起点を探しているんだ」

「起点……ですか?」

「そう。由香ちゃんの歩幅で5歩目にドアがあり、さらに3歩目でまたドアがある場所を」


「「「は?」」」


「この記号は、不定期に並ぶドアを示していると思う」


「しかし玲様。ドアは反対に通じるものでしか……」

「あるんだよ、きっと。そうではない部屋が」

「あった処で、何処にでるというのさ?」


僕は一呼吸おいて答えた。


「推測だけれど……。多分、上下どちらかに続く……階段」



「「「は?」」」