シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



「本当はね、私はあの男の術から逃げる手段として、貴方を選んでいたのよ」


不可解さを強調させたのは、その行動だけではなく。

口から出てくる言葉も同様に。


「だけどまあ……こういうのもいいかもしれないわね。もう嫌っていうほど、貴方達には私の情けない姿を見せてきてしまったし」


美咲さんはあたしの体を、両腕で押すようにして突き放した。


そして乱れた髪に手を差し込み、そこからまとめ髪を作るためのやけに長いピンを取り出した。


ぱさりと、彼女の髪が視界に舞い散る。



「玲。ティアラ計画は、形態を変えて今なお進められているの。最初とは…意味を違えて」

「え……?」


玲くんは、訝しげに聞き返す。


「だからこそ、貴方にとって希望と……救いとなる可能性があること、どうか忘れないで。

本当に――」


美咲さんの目から涙が零れ落ちた。



「本当に、苦しませて――

利用してしまって――。


ごめんね、玲」



そして――。




「貴方は愛されているわ。

この世界だけではなく、電脳世界にも――

貴方を愛するもの達の愛が溢れている。

彼らは、貴方の味方よ?」



美咲さんは。

握り締めたそのピンを、喉につき立てたんだ。


深く――。

抉るようにして――。