シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



「護法童子。正しい順序は判るか?」

「判るが……櫂殿。行く手を阻む迷宮になりつつあるこの場に、正しい順序では進むことは…」


「所詮はスクリーンだ。力で破く」


櫂は強行策で行く気らしい。


「櫂殿、すくりーんを破きながら9つに行き着くまでに、正しい道筋を残しておかねばならぬ。しかし、この迷路は形が変わり周りを飲み込む。それはどうされる?」

「広範囲に残るもの……」



俺達がうーんと考えている時だった。



「ねえねえ、うまくいった!! 9!! 見て見て、9!!」


KYリスのお出ましで。

見なくても判る。


足の指を曲げたんだろう。

今はきっと、俺の頭の上で寝転びながら、得意げに鼻をひくひくさせていることだろう。


……現実逃避に、少しその姿を見てみたい気もしたけど、今はそれどころじゃ…。



………。


「おいチビ!!」

「な、なんだよ、突然!!」


「お前、鉄の胡桃を使え」

「え?」


「9箇所に至るまでの道筋に、あの忌まわしき氷皇がよくやった"パン屑"のように鉄の胡桃を落とし、あのテトリスゲームでやった、雷の大技で辿らせろ!!」


まるで天啓のように降りて来たこの案は。

ほとんど俺の記憶を源にしている、視覚的効果を繋ぎ合せたようなものだったけれど。



「ナイスだ、それで行こう!!」


即座に賛同した櫂に、俺は嬉しいと言うよりも…不安になってしまった。


……え、いいの?

俺の思いつき、それをそんなに簡単に了承していいのか?


「え、櫂……もっと考えた方が…」

「は? お前が考えたんだろう。なに俺が不安に思うことがある?」


幼馴染の信頼感というのは、絶大らしい。

いやまあ…悪い気はしないというか。

……やっぱ嬉しいけどよ。



「だとしたら、最後の9つめに行き着くまでの、最低限凶相を作る石碑がスクリーンで覆われないように、人員は配置していた方がいい。俺達は5人。しかし、レイは特別だから抜かせば4。あと5人、どう補充しようか…」


そう呟いた時だった。



「我らヲつかエ」


いつのまにか集った大勢の忍者達が、後ろから声を掛けてきたのは。


破れた黒装束。

流れる真紅色。

疲れ果てた表情。


しかし、その目だけは、


「我ラの体デもっテ、すくリーンとやらの進行ヲ食い止メよう」


強い意思を持つ、澄んだもので。


人身御供となり時間を稼ぐという方法を呈示してきた奴らに、躊躇はまるで見られなかった。