「護法童子。正しい順序は判るか?」
「判るが……櫂殿。行く手を阻む迷宮になりつつあるこの場に、正しい順序では進むことは…」
「所詮はスクリーンだ。力で破く」
櫂は強行策で行く気らしい。
「櫂殿、すくりーんを破きながら9つに行き着くまでに、正しい道筋を残しておかねばならぬ。しかし、この迷路は形が変わり周りを飲み込む。それはどうされる?」
「広範囲に残るもの……」
俺達がうーんと考えている時だった。
「ねえねえ、うまくいった!! 9!! 見て見て、9!!」
KYリスのお出ましで。
見なくても判る。
足の指を曲げたんだろう。
今はきっと、俺の頭の上で寝転びながら、得意げに鼻をひくひくさせていることだろう。
……現実逃避に、少しその姿を見てみたい気もしたけど、今はそれどころじゃ…。
………。
「おいチビ!!」
「な、なんだよ、突然!!」
「お前、鉄の胡桃を使え」
「え?」
「9箇所に至るまでの道筋に、あの忌まわしき氷皇がよくやった"パン屑"のように鉄の胡桃を落とし、あのテトリスゲームでやった、雷の大技で辿らせろ!!」
まるで天啓のように降りて来たこの案は。
ほとんど俺の記憶を源にしている、視覚的効果を繋ぎ合せたようなものだったけれど。
「ナイスだ、それで行こう!!」
即座に賛同した櫂に、俺は嬉しいと言うよりも…不安になってしまった。
……え、いいの?
俺の思いつき、それをそんなに簡単に了承していいのか?
「え、櫂……もっと考えた方が…」
「は? お前が考えたんだろう。なに俺が不安に思うことがある?」
幼馴染の信頼感というのは、絶大らしい。
いやまあ…悪い気はしないというか。
……やっぱ嬉しいけどよ。
「だとしたら、最後の9つめに行き着くまでの、最低限凶相を作る石碑がスクリーンで覆われないように、人員は配置していた方がいい。俺達は5人。しかし、レイは特別だから抜かせば4。あと5人、どう補充しようか…」
そう呟いた時だった。
「我らヲつかエ」
いつのまにか集った大勢の忍者達が、後ろから声を掛けてきたのは。
破れた黒装束。
流れる真紅色。
疲れ果てた表情。
しかし、その目だけは、
「我ラの体デもっテ、すくリーンとやらの進行ヲ食い止メよう」
強い意思を持つ、澄んだもので。
人身御供となり時間を稼ぐという方法を呈示してきた奴らに、躊躇はまるで見られなかった。

