シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



「お前簡単に言うけどよ、例えこれを作った犯人が居ても、捕まえられる距離にいねえんだよ。

お前の鉄の胡桃みてえに、都合良いときに現われるようなもんじゃねえんだ」


「ふうん? 変なクリ……」


いや、クリが変なんじゃなくて、チビの鉄の胡桃が変なだけだ。


「ねえ、ゴボウ。やっぱり近くに、クリはないの?」


すると小小々猿は頭を横に一振りする。


「ここではないどこかに感じる。そしてスクリーンの奥にあるものも、ここではない処から、流れ込んできている…」

「それどこさ?」

「ここではないどこか」

「だからそれどこ?」

「いやだから、ここではない…」


答えの見えねえ押し問答。

抽象的に言うしかねえ小小々猿は、自身が把握しきれないほど、周涅の術が強大で緻密なんだろう。

それに引き摺られず、なんとか自我を保っていられるだけ、小猿が作った式神の力は強いのかもしれねえけど。


「護法童子。凶相がこの陣を作り、それを避ける為の方忌み、方違いが有効なら、それを踏まえた正しい道順で辿れば、その凶相を作りだしている"9星"の石碑に行き着くか?」


「ま、まあ……」

「9星って、なに?」


チビリスが俺の代弁をしてくれた。


「おお、レイ殿。一白・二黒・三碧・四緑・五黄・六白・七赤・八白・九紫のこと」

「うわ…。9つ…どうやって数えよう…。足使うのかな…? 僕の足の3本で、どこの指曲げたらいいんだろう…」

「おう、お前の足の指は3本……違う、問題はそこじゃねえ!! お前は俺の頭の上で、黙って9つ数えてろ」


「わかった!! い~ち、に~……」


頼むから黙っていてくれ。