「あああああああああ!!」
吼えた俺は偃月刀を巨大なものに顕現させて、スクリーンを斬って斬って斬りまくる。
再生出来ないほどに斬ってしまえば。
忍者達を飲み込めないほど数を減じれば。
「忍者達、逃げろ!!」
しかし、あちこち絶叫は続く。
「逃げたくなくても、逃げろ!!」
逃げるのも強さだと、負けたわけではないと、どうかここは納得してくれ。
俺ではねえ、発砲音も響く。
ああ、この悔しさは、俺だけじゃねえ。
そんな時、ピーという口笛が響いた。
誰かが退却の合図でも出したのか。
「くっそ!!!!」
俺は偃月刀を目茶苦茶にふるった。
破けて、再生されるスクリーンに。
まるで狂ったように。
「煌!!!」
そんな時、頬を叩かれてはっと我に返る。
焦ったような面持ちの櫂だった。
後ろには小猿と小小々猿も心配そうに立っている。
「お前、大丈夫か!?」
「俺より……あいつら……」
息が上がる。
込み上げる感情に。
コンコンコン。
そんな時、頭上をノックされた。
「落ち着けよ…。気持ちはよく判るから。僕だって……ドジョウすくいの秘伝を、体で教えこんだ弟子達なんだ…。ぐすっ…」
……。
不本意ながら、少し興奮が落ち着いてきたらしい。
「煌、彼らは睦月の合図でひとまず引いた。スクリーンの動きがおかしいんだ。今は人間をどうというより、塔を飲み込もうと中心に向けて縮小している。俺達は"見捨て"られたようだ。スクリーンは向こう側に移動しているだろう。
緑皇の結界が薄れ、玲の親父やクマの仕掛けも功を奏していないのか、ここぞとばかりに裏世界の要たるあの塔を壊そうとしている」
「どうすんだよ……」
際限なく増え続けるスクリーン。
俺は銃を取出し、銃弾の数を数えた。
「3発……」
「俺はあと2発。翠は?」
「ワンコと同じ」
「僕はあと2発!!」
チビの弾は果たして数に入れていいものなのか。
「合計9発で、あのスクリーンを仕留められる?」
……すげえ、小猿が暗算してる。
それこそチビみたいに指使わねえと、俺には無理な話。
「……ねえ、顰めっ面してなに悩んでいるのさ」
チビリスが、逆さになって俺の目を覗き込んできた。
まさか猿より劣る計算力を嘆いていたとは言えねえ俺は、
「このスクリーンをどうしようか考えていたんだ!!」
必要以上に声を荒げてしまったけれど。
「この白いのを消すのが難しいなら、この白いものを作った犯人の"クリ"をなんとかすればいいんだろう?」
何処までも玲を彷彿させる瞳の色で。

