玲様――。
せっかく、築き上げてきたふたりの時間を…、
「君は……代わりに愛そうとしてくれただけだ」
壊そうとするのですか?
「僕の……幸せな魔法は――終わった」
「玲様!!!!」
「師匠!!!?」
「君が本当に愛しているのは僕ではなく……」
「ああ、ああああああ……」
芹霞さんの体が仰け反り、目がこれ以上ないという程大きく見開く。
「櫂…「うわあああああああ!!!」
芹霞さんの絶叫が、玲様の声を掻き消した。
そしてかくんと崩れ落ちる芹霞さんを、玲様は片頬に涙を伝わせて抱きしめた。
やがて芹霞さんが身動ぎする。
「玲くん……思い出した。櫂のこと……」
びくりと震える玲様は、芹霞さんを抱きしめたまま、顔だけを天井を見上げるように上に向かせた。
端麗な顔。
それは悲壮でもあり、そして清々しくもあり。
玲様は、今まで思い悩まれてきたのだろう。
その罪悪感から、今……解放されたんだ。
「そうか……。ごめんね、僕が悪いんだ……。僕とのことは……」
反対側の頬にも、静かに涙が伝って落ちた。
「夢を見させてくれて……ありがとう」
玲様――!!!

