その瞬間だった……。 わたしの唇になにかが触れたのは。 「……ん」 その"なにか"が離れたと同時に、わたしは目を開けた。 「……え??」 ハッと我に返り、思わずわたしは自分の唇にそっと触れた。 「―――ごめん。玲奈がかわいかったから、キスしたくなった」 照れくさそうにそう言う健一くんを見て、わたしはさらにドキドキした。 「……キス??」 そっか……。 さっきわたしは、健一くんとキスしちゃったんだ。 だからこんなにドキドキするのかな?? 胸の奥がキュンとなって、疼くように痛くなる。