何も知らずとも、辛そうならば、例え、我が身が傷つこうとも来てくれる。


知っている部分だけ見れば、自分は救いようがない奴でしかないのに――惨めな生き方しかできない、己さえも救(ささ)えなかったどうしようもない奴相手に。


「気がふれてんじゃねえの」


だから、こちらにも伝染した。


イラつくのに、笑ってしまう。


気分最悪でも、機嫌良い。


何もかもおかしいのは全部こいつのせい。


だって、“オレが”笑うだなんて、あり得ないから。