何に、激昂したんだ――
「いっそもう、“てめえら全員”、死んじまえばいいのにっ!」
そうしたら、“どれだけ楽なことか”。
分かっている、八つ当たりだと。復讐ではない自棄っぱち。
違う痺れで指先の感覚が無くなってきた、男たちは沈黙して、息をしているのかも分からない。
けたたましい騒音が、耳鳴りと一体化している。鼓膜を揺さぶり、三半規管を弄くりまわす。
「誰も助けてなんかくれないっ、自分を助けられるのはいつだって――」
ヤられる前に、ヤれ。――誰も、“ボク”を助けてくれないんだから。
思い出が視界(今)に被さる。幻覚と幻聴が、“ゲラゲラ”言う。
黙らせたい、でも、“ボク”は弱いから。
「“オレが”、てめえらみんな、まとめて……!」
ブタ箱行きにしてやる転じて、真の羨望は、万死。


