溝出なんちゃってとーけー学もなかなかに侮れない。事実来たのは、件の二人だ。 (いやいや、かかるわきゃねえって) けれど、足音は止まらない。 (かかるわけ……) 溝出はロープを引いたまま、転ばすにはいい定位置でロープが張り詰めるのだが、二人は止まらず歩く。 (マジかよっ。この骨に『足元がお留守だぜぇっ』とか言わせる展開なの!?) 知らずと、犬童さえ息を呑む。糸ほどに開けられた扉の隙間でも、目を細めれば廊下を垣間見る。 狭間に、狐面と戦後学生の姿が見えて――