それもそのはず、この狐面生徒こと冬月(ふゆつき)は、周りの好感度はもとより、自身の愛する人以外は優しくしない。
むしろ邪魔、目障り。なんで、僕と好きな人以外がのうのうと生きてんの?ほどのヤンデレさん。愛する人の歯止めなければ、灰色着物を赤に染め上げることだろう。
そうとは知らず、犬童は愛らしく弱々しく泣き続けてみせたが。
「……、ちっ」
(泣く子に舌打ちぃ!?)
泣きっ面に蜂よりも酷かった。
「う、うぅ……。でも、一人で立たなきゃ。ボク、強い子だからねっ。おんなのこみたいだから、強くならなきゃ」
よいしょと立ち上がる犬童。『お母さんが見ている前で転ぶも、お母さんが来てくれないため自分で立ち上がる偉い子設定』でいくが、冬月の対応は変わらない。


