と、転んだ状態――うつ伏せのまま犬童はじっとしていたが。
「……」
(まさかの、人間じゃねえぇ!?)
一mmたりとも動かない狐面生徒であった。
(馬鹿なっ。モラルにしても、学園一プリチーな俺を助けなければ、てめえの人気は下がるぞっ。嫌だろ、そんなのっ。世間体とか体裁とか、あの子の好感度とか気にしろよ、変態お面がっ!)
「ふえぇ、痛いおぅ」
「……」
「すっごい痛いおぅ。ボク、泣いちゃう……ふえぇ」
「……」
(もうこいつの人気0で決定だろおぉ!)
泣く子を見ても、動かない狐面生徒。その面の奥は、冷ややかな目をして犬童を見ていることだろう。


