「....な、......るな、遥菜ってば!」 久香が私を呼ぶ声。 「どうしたの?ぼーっとして...」 「ごめん。ちょっと昔の事、思い出してて...」 「前の彼のこと?早く忘れちゃいなって!」 さばさばした彼女の性格が羨ましい。 彼と別れて、もうすぐ2年。 あの後、私は勤めていた病院を辞め、マンションも引っ越した。