脇目も振らず、ただ美空のマンションだけを目指して高速道路を走る。


夜遅いため、道も空いている。



運転中も携帯に着信はないか気にしながら、車を走らせる。









夜中の2時過ぎ。



携帯が鳴った。



運転中にも関わらず、片手で携帯を確認すると『美空』の名前が表示されていた。


瞬間的に画面を触り、携帯に出る。



どこにいるか聞くと、家で寝ていたと言う。


マナーモードにしていたため、俺からの着信に気付かなかったと、美空は言った。



ホッと胸を撫で下ろす。


よかった。無事だった。





とりあえず、美空に会いたい。




そう思った俺は、後1時間で着くことを伝え、電話を切った。








美空に会いたい。






俺の心にあるのは、その一心だけだった。