青のキセキ

少し早めに空港へ移動し、展望台でまったりと休憩。


スタバのコーヒーを片手に、発着する飛行機を眺める。



搭乗手続きは済ませたので、後は時間が来るのを待つのみ。




「福岡、とてもいい所ですね。また来たいな」


「いつでも来れるよ。今度は仕事じゃなく、プライベートで来ようか」



切れ長の目で優しく微笑みながら言う課長に目が釘付けになる。




「ん?顔に何かついてるか?」



頬を触りながら聞く課長に、


「いえ、違うんです。嬉しくて...」



「...美空」



「私、こんなに幸せでいいのかな...なんて思って」


「お前、その表情は反則だって...」


その表情ってどんな表情なの?自分ではわかんないよ。








その後、しばらく飛行機を見ていた私達。



「空港内でも見て回ろうか?」


課長の提案に即答でOKの返事をし、施設内のショップを見る。



その間も、刻々と近づいてくる出発の時刻。課長にもらった腕時計を見ながら、溜息一つ。



「どうした?疲れたか?」


心配そうな顔で課長が私を見る。



「いえ、もうすぐ出張も終わりだな...と思ったら寂しくて」




「そうだな...。二人だけで会える時間、もっと増やせたらいいな」



「....これ以上を望んだら罰が当たっちゃう。今のままで十分なのに...」



課長の困った顔は見たくない。それに、毎日会社で会えるじゃない。

朝の7分間に、毎晩の電話もある。



いつもの日常に戻るだけ。



なのに、何故こんな気持ちになるんだろう...?


課長と肌を重ねてから、私、贅沢になっちゃったのかな...。




ダメダメ。



もっと強くならなきゃ。