「ちょっとぉ…まだ誰もきてないじゃんっ!!」

「ほんとっ!1番ねっ」

「母さんっ。ちょっトイレ行って来るっ」



覚えてるかな?

この学校に来る前、学校の説明かがあったんだよね。

早く学校に来てしまったんだよね私たち。



「ここの学校…どーなってるのかなぁ」

トイレを済ませた私は母さんがいる教室を見た。


…母さん以外、誰もいない。


一応チェックして階段を駆け上がった。





―ドンッッ


「いったぁぁぁ…」



謝らなきゃと思い私は顔を上げた。



「大丈夫ですか?」


そう、このとき君の笑顔に私は魅かれたんだ。


「あっ…ごめんなさい」


君は笑ってた。


「来年の1年生になるんやな?頑張れよ、入試。」


この学校に来るつもりなかったのに


「ありがとうございます」


私は笑顔で答えてしまった。




もう一度君に逢いたくて、

この学校にきたのかもしれない。



君は私のこと、覚えてないと思うけど。