なぜ俺は、吉田栞にキスなんかしちまったんだろう……

したかったから。
そう言っちまえばそれまでだが、どうしてあんなガキっぽい女にその気になったのか、それが不思議でならない。

あの時の吉田栞の大きすぎるぐらいの目が潤んでいたからか?
半開きのピンクの唇が、サクランボみたいで美味そうだったからか?

実際、あいつの唇はマシュマロのように柔らかく、それでいて弾力があり、甘かった……

うっ。思い出したらムラムラしちまった。あんなガキに……


ムラムラと言えば、あの時はどうだったんだろう。どうせキスまでしたんだから、その流れでホテルに連れ込めば良かったんだ。そしてあいつの体に“女の悦び”って奴を教え込み、俺から離れられなくすれば良かったんだ。

なのに、“ごめんよ”だあ?
逃げる吉田栞を追い掛けもせず、俺はあの時何を考えてたんだろうな……