令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

榊原さんは、ある駅のすぐ前にある喫茶店を待ち合わせ場所に指定したらしい。絵里とそこへ向いながら、私はある事を考えていた。

それは、私自身の気持ち。松本さんに対する、私自身の不可解な感情について。

このところ何度となくそれを考えてみるのだけど、未だにその答えが出ていない。


松本さんとは一度会っただけなのに、どうしてこんなにも会いたいと思うのだろう。今まで出会った人で、一人でもそんな人はいただろうか。

今までの人生で、こんな気持ちになった事はないと思う。大袈裟ではなく。