「お顔が赤いですよ? 熱があるのでは?」


ああ、やっぱり私の顔、赤いのね……


「ううん、大丈夫。たぶん外が寒かったからだと思う」

「そうですか? ではお風呂でよく体を温めないと……」

「うん、そうするわ」


婆やは昔から私の事をよく気遣ってくれた。ちょっと過保護なくらいに。父方にはお祖父様しかいらっしゃらないので、婆やは私にとっては父方のお祖母様という感じだ。

ちなみに母方のお祖父様、お祖母様はお二人ともお元気だ。あと私の親族としては叔父様が一人いる。誠(まこと)叔父様といって、ママの弟さんだ。未だに独身で、とても気さくで面白い方だ。


ママに赤い顔を見られるのはイヤだけど、帰宅のご挨拶をしないわけには行かないので、私はママがいるらしいリビングへと向かった。