令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

吉田栞ともう一人の女は、店の出口近くで何やら会話中だった。俺は連中に見つからないよう、そろりそろりと近づき、植木の陰に身を潜めた。


「俊樹さんに慰めてもらえば?」

『俊樹さん?』


おっと、俺の心の声が吉田栞とハモッちまった。


「うん。帰りに迎えに行くって言ってたじゃない、彼? 」


“彼”だあ? つまり、吉田栞には男がいるってか?

ふざけやがって……。男がいるくせに合コンなんかに来たのかよ?
とんだあばずれじゃねえかよ。がっかりだな。

ん? なんで俺ががっかりなんだ?

それは……あいつに男がいたんじゃ、俺にメロメロにする、という計画がやりにくいから、だろ?
うん、ただそれだけの事さ。普通じゃね?

何言ってんだろうな、俺は……