令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

まったく予想もしてなかった栞の行動と言葉に、悠馬は唖然としてしまった。栞を抱くつもりでここへ来た悠馬ではあったが、まさか栞の方から求められるとは夢にも思わず、それは嬉しい誤算には違いないが、それよりも戸惑いの方が勝っていた。


確かに弘司は、栞が抱かれたがってると言った。しかし悠馬はそうは思っていなかった。栞がそんな事を考えるはずはない、と。

だが、今の栞の言葉を聞くと、やはり弘司の言った通りなのかとも思う。しかし……


(いや、やっぱりこれはおかしい。栞らしくない)


「栞。今日のおまえはちょっと……いや、かなり変だぞ? 何かあったのか?」


そう悠馬が聞いても、栞は黙ったまま悠馬を見上げるばかりだった。瞳をますます潤ませながら……


「それとも、誰かに何かを言われたか?」


そう聞き直すと、栞は微かに息を飲み、それを悠馬は見逃さなかった。


「そうなんだな? 誰に、何を言われたんだ?」

「…………」

「栞……?」


悠馬は、栞が話すのを辛抱強く待った。すると栞は、観念したかのように重い口を開いた。