「絵理、大丈夫?」


私は、咳き込む絵理の背中をさすってあげた。


「もう、脅かさないでよ。あんたの口からその4文字が飛び出すとは思ってもなかったわよ……」

「ごめんなさい……」

「そうかあ。あんたも苦労するねえ。こんな華奢な身体でさ、辛いでしょ?」

「え? 何が?」

「だからさ、夜な夜な彼氏に攻められてるんでしょ? 松本君って、精力強そうだもんね?」

「ち、違うの」

「へ?」

「まだ、してないの。私達……」

「…………嘘でしょ?」


私は黙って首を横に振った。絵理がこれだけ驚くという事は、やっぱり深刻な問題なんだわ……


「だってさ、あんた達は付き合ってどれくらいよ?」

「5ヶ月」

「だよね? 普通はするでしょ? そんだけ付き合えば。高校生でもすると思うわよ?」


グスッ。なんだか泣きたくなってきちゃった……