「栞、彼とは順調?」

「え? うん、まあね……」


絵理に聞かれたけど、私は胸を張って“うん”とは答えられなかった。かなり気になる事があって……


「あら。あまり順調でもなさそうね? どうかしたの?」

「うん……」


私はこのところ、悠馬さんの事で悩んでいる。同じ男の人という事で、パパに相談すればいいのかなと思うけど、恥ずかしくて言えない。ママにも、ちょっと……


そうだ。絵理に聞いてみよう。絵理ならきっと……


「絵理はさ、男の人の事、詳しい?」

「男の事? そうね……あんたよりは知ってるんじゃない? それなりに経験積んでるし」

「そう? じゃあ教えてほしいんだけど……」

「何を?」

「普通、男の人って……」

「うんうん」

「セックスしたがる?」

「ブッ!」


絵理は、ちょうど口に含んだパックの紅茶を、派手に吹いてしまった。