しばらく走った後、私が乗せられた車は目的地に着いたらしく、「降りろ」と言われて私は車から降りた。


「ここはどこなんですか？」

「どこでもいいだろ？ どっかの倉庫って事にしておけ」

「はい、倉庫なんですね？」


倉庫って、初めて来たかも。というか、見た事すらないかもしれない。いったいどんな所なんだろう……


名前を知らない男の人が扉を開き、サブさんという人が、「ほら、入いれ」と私の背中を押した。

もう一人の人も名前は分からないのだけど、サブさんという人が３人の中ではリーダーみたいだ。


倉庫という建物の中は、広くて、埃の匂いがして、寒い所だった。


「おい、すぐにストーブを点けろ」

「へい」


ストーブって……ああ、暖房機具よね。良かった。こんな寒いんじゃ、凍えてしまうもの。