令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

杏里さんがまた嫌な事を言ったが、俺は怒鳴りたい気持ちをグッと堪えた。


杏里さんは、何が可笑しいのか薄ら笑いを浮かべ、携帯を操作して耳に当てた。そして少しして、


「あ、サブちゃん?」と言った。


奴に繋がったか……
まずは第一関門突破だな。


「サブちゃんさあ、いつあの女をやってくれるの?」


えっ? ああ、そうか。杏里さんは今日って事を知らないはずなのか。この人、かなり悪知恵が働くんだなあ。


「えっ? 今日なの? 正に今?」


俺はギクッとなり、杏里さんの言葉に集中した。


「もうやっちゃった?」


心臓がバクバクしてきた。


「そう? まだなんだ……」


それを聞いて、俺はホッと胸を撫で下ろした。


「ねえ、今どこにいるの?」


俺は書くものが必要だと思い、側にあった紙切れとボールペンを杏里さんの近くに置いた。

杏里さんは俺に頷きながら、サブという奴との会話を続けた。