令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

「えっ?」

「あたしだって知らないもん。サブちゃんの家なんか……」

「あ……」


途端に俺の顔から血の気が引いて行った。栞が連れ去られた場所を、てっきり杏里さんから聞き出せると思っていたが、それが出来ないとなると、もう俺には打つ手が……ない。


「諦めなさいよ?」


呆然とする俺に、杏里さんは憎たらしい事を言った。クソッ。諦めてたまるか!

だが、いったいどうしたら……


あっ、そうか! 電話だ。っていうか携帯。サブって奴の……


「杏里さん、サブって奴に電話してください! 携帯で、今すぐに!」

「え? し、知らないわよ。サブちゃんの携帯なんか……」


杏里さんはそう言うが、それは嘘だと思う。言い方が怪しいし、杏里さんは栞の事で奴と連絡を取り合ったはずだから。


ちょうどテーブルの上に杏里さんの携帯が置いてあり、俺はそれに手を伸ばして掴み上げた。