仕事が終わり、着替えを済ませて栞と一緒に外へ出たが、栞を見送ったら、俺は店に戻って店長と改めて話し合うつもりだ。そして店長にはある程度本当の事を話し、出来ればバイトは今日限りで辞めたい、と言うつもりだった。
今夜も律義に、小林という男が黒塗りの車で栞を迎えに来ていた。俺達は並んでそこまで歩いて行き、立ち止まると、
「お疲れさま。気を付けて、元気でな?」
と俺は言った。いつも通りの調子に聞こえるように、意識して平然と。
と言っても、“気を付けて”とか、“元気で”なんて言葉を今まで俺は言った事がなく、ちょっと不自然だったかもしれず、栞は「はい」と言いながらも、少し戸惑った様子だった。
そして栞は、
「悠馬さん、明日もどこか行きますか?」
と聞いて来たが、俺は答える事が出来なかった。もう俺達に、“明日”はないのだから……
俺は無言で栞を見つめた。これが見納めかもしれないから、しっかり記憶に留めたいと思って。
と、その時。ドーンという耳をつんざく大きな音と共に、目の前の小林さんの車に別の車が激突した。
今夜も律義に、小林という男が黒塗りの車で栞を迎えに来ていた。俺達は並んでそこまで歩いて行き、立ち止まると、
「お疲れさま。気を付けて、元気でな?」
と俺は言った。いつも通りの調子に聞こえるように、意識して平然と。
と言っても、“気を付けて”とか、“元気で”なんて言葉を今まで俺は言った事がなく、ちょっと不自然だったかもしれず、栞は「はい」と言いながらも、少し戸惑った様子だった。
そして栞は、
「悠馬さん、明日もどこか行きますか?」
と聞いて来たが、俺は答える事が出来なかった。もう俺達に、“明日”はないのだから……
俺は無言で栞を見つめた。これが見納めかもしれないから、しっかり記憶に留めたいと思って。
と、その時。ドーンという耳をつんざく大きな音と共に、目の前の小林さんの車に別の車が激突した。



