令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

私は、たぶん真っ赤になった顔を松本さんに見られるのが恥ずかしくて、下を向いた。でも松本さんは私の顎に指を掛け、くいっと上を向かされてしまった。


「み、見ないでください」

「あんた、もしかして、まだバージンか?」

「知りません!」


ああ、恥ずかしい。そんな事、ストレートに聞かないで……


「やっぱりそうなんだ? ひょっとして、キスもした事ないとか?」

「それは……」


ある。
と言っても、パパとだけど。しかも私がまだ子どもの頃の事だけど……


「そうか。じゃあ、俺が教えてやるよ」


そうかって、ちゃんとお返事してないのに……

松本さんのお顔がゆっくり私の顔に近付いて来た。私は、アップになった松本さんのお顔を、ボーッと見ていた。

松本さんのお顔って、肌がとても綺麗。お鼻が高くて、私の鼻とぶつからないかしら……って、


「ちょ、やめてくだ、ン……」


我に返って抵抗しようとしたのだけど、時既に遅く、私の口は松本さんのそれで塞がれてしまった。