令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

「私も、悠馬さんが大好きです」


栞もすぐにそう言ってくれた。しかも、単に“好き”ではなく、“大好き”と。嬉しい。嬉しすぎる。

こんな俺なんかを……と思うと、「ありがとうな」という言葉が、自然に口から出ていた。しかし…….

はっきりと言葉にしたのは、互いに今日が初めてだと思うが、別れの日に、というのが、なんとも皮肉と言うか、哀しい。


なんて、めそめそしたってしょうがねえよな。もう思い残す事もないし。


「いっけねえ……遅刻しそうだ。ほら、栞も立って。急がないと店長に怒られるぞ?」


俺はわざと明るい声を出して立ち上がると、心配そうに俺を見上げる栞の手を引いた。