令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

そのキスは、今までで一番深く、長かった。

俺は栞の唇の感触を、しっかりと自分のそれに記憶したくて、舌と舌を絡め、何度も何度もついばむように、栞の唇を味わった。


そして、本当にこれが最後なんだと思ったら、どんどん哀しい気持ちになり、不覚にも涙が出てきてしまった。恋愛映画を観てから、俺の涙腺は緩んでしまったのかもしれない。


堪えようと思ったが、そう思えば思うほど涙は出て来るようで、やがて目から溢れていった。


それを栞に知られたくなくて、名残惜しいが唇を離すと、顔を見られないように栞の体を強く抱きしめた。


「悠馬さん……?」


だが、そんな俺の異変に栞は気付いてしまったらしく、心配そうな声で俺の名を呼んだ。そして俺は……


「栞……好きだよ」


そんな言葉がひとりでに口から出ていた。自分でも、その唐突さに驚きながら……