令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

おい、マジかよ……

俺は嬉しいような、そうでもないような、複雑な気持ちだった。

まだバージンの栞が、俺にそれを捧げてくれると思うと嬉しい。しかし、いとも簡単にそうするのは、ちっとも栞らしくないと思う。


あ、もしかしてこいつ、解ってないんじゃないか? この状況が……


「じゃあ、入ろうか?」


と俺が言ったら、栞は「え?」と言い、ホテルの入り口に目をやると、じーっとそれに見入った。そして大きな目を、更に大きく見開き、口をポカンと開いた。


やっぱりか……


栞は、ここがラブホテルのまん前だという事に気付いてなかったらしい。


「悠馬さん、ちょっと待ってください!」


と栞は慌てて言ったが、おもしろいから、


「ん? イヤじゃないんだろ?」


と俺は意地悪を言い、慌てふためく栞を見ていた。


「ち、違います。さっきのは、その……」


表情がコロコロ変わる栞は、見ていて飽きないし、すげえ可愛い。今、何を考えてるのか、栞の頭の中を覗いてみたいと思った。


それにしても、あのBG野郎は何してんだろうか。もたもたしてたら、本当に栞を連れ込んじまうぞ?