「お友達とカラオケに行って、もしかすると泊まって来るって……」

「あ、そう?」


そうかあ。となると、これはチャンスかもしれない。おふくろさんとじっくり話す……


「おふくろさん、もう寝る?」

「もう少ししたらそうしようと思ってるけど、どうして?」

「うん。ちょっと、その……おふくろさんと話をしたいかなと」

「あら。いいけど、何かしら? 恋の相談?」

「ち、違うよ」


と言っても、遠からず、って感じだけどな。


俺はジャンパーを脱ぐと、おふくろさんの前に胡坐をかいて座り、おふくろさんに淹れてもらった熱い日本茶をすすった。


「どんな話?」

「う、うん……」


おふくろさんは、優しい笑顔で俺が話しだすのを待っていた。俺は、どこから話を始めようかと考えていたが、やはりあの事からだなと思った。