令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

「いや、俺はそんな事は……」

「ううん、してた」


私はパパに否定の言葉を言わせなかった。だって、ママが言った通りだから。


「だよね? なぜ亮がそんな事をするのか、その訳を考えてみたけど、答は一つしか思い浮かばなかった。それは、栞が松本君に会えないようにするため。と言うより、松本君が栞に近付けないように、じゃないの?」

「…………」


ママと私はパパが答えるのを待ったけど、パパはチラッと私達を見ただけで、口を開こうとしなかった。


「あら、黙秘? まあいいわ。一方で、お祖父様は松本君の事を調べていた。探偵を雇うとかして。そうしたら、松本君のバイト先が、栞のバイト先と同じだという事が判った。つまり、栞が松本君と一緒に働いているという事ね。それを聞いた亮は、お仕事の後、栞と松本君が二人きりにならないように、急遽会社の車両部の方にお願いして、バイト先まで栞を迎えに行って戴くようにした」


なるほど……。さすがはママだわ。