令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

「栞を送ってくださった小林さんという方は、吉田商事の社員さんなのよね?」

「うん。車両部の課長で、実直で運転手としての資質も問題ない男だ」

「そう? お礼はちゃんとするんでしょうね?」

「もちろんそのつもりだよ」

「当然よね? でもそれって、公私混同でしょ? 亮らしくないじゃない?」


やっぱりそれか……。ママも私も考える事は一緒みたい。


「いや、俺はあくまでプライベートな“頼みごと”をしただけで、謝礼は俺のポケットマネーから出すつもりだし、公私混同って事にはならないよ」

「そうかしら? じゃあ車は? 会社の車じゃないの?」

「や、それは……」

「黒塗の車だったわ」


すかさず私が発言すると、ママは私を見て頷いてくれた。


「会社の車よね?」

「……たぶん」

「それでも公私混同じゃないって言い張れるの?」

「そ、それはその……」

「あの、どうしてもパパに聞いてみたい事があるんだけど……」


ママの追求はまだ続きそうだったけど、私には早くはっきりさせたい事があって、二人の会話に割って入った。