「おお、久しぶり」
「あの、これはお土産です」
そう言いながら、栞は手提げ袋から包みを出して俺に差し出した。
「悪いなあ……」と言って受け取り、早速開けてみると、黒地の洒落たTシャツだった。サイズも好みも俺にピッタリの。
「お、いいなあ、これは……」
思わず俺がそう言うと、栞は、
「ほんとですか!?」
と言い、嬉しそうに微笑んだ。
こいつ、本当に可愛いなあ。性格も申し分ないし。俺は、こんないい子を不幸に出来るんだろうか?
と言うか、そんな事していいのか?
いい訳ないよな……
俺はこの瞬間、栞を使って吉田泰造に復讐する、という計画の中止を決意した。
こんな心境になったのは、俺が本気で栞に惚れちまったからだが、吉田泰造への復讐心そのものに陰りが出た事も否定出来ない。
俺は、あのじいさんの頑なな態度を見て、正直なところ俺の逆恨みだったのかなと思い始めている。一方では、それを認めたくない俺もまだいるのだが……
「あの、これはお土産です」
そう言いながら、栞は手提げ袋から包みを出して俺に差し出した。
「悪いなあ……」と言って受け取り、早速開けてみると、黒地の洒落たTシャツだった。サイズも好みも俺にピッタリの。
「お、いいなあ、これは……」
思わず俺がそう言うと、栞は、
「ほんとですか!?」
と言い、嬉しそうに微笑んだ。
こいつ、本当に可愛いなあ。性格も申し分ないし。俺は、こんないい子を不幸に出来るんだろうか?
と言うか、そんな事していいのか?
いい訳ないよな……
俺はこの瞬間、栞を使って吉田泰造に復讐する、という計画の中止を決意した。
こんな心境になったのは、俺が本気で栞に惚れちまったからだが、吉田泰造への復讐心そのものに陰りが出た事も否定出来ない。
俺は、あのじいさんの頑なな態度を見て、正直なところ俺の逆恨みだったのかなと思い始めている。一方では、それを認めたくない俺もまだいるのだが……