令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

ああ、こんちくしょう……。こうなりゃヤケだ!


「わかったよ。あんたが信念を通すなら俺もそうするさ。計画通り、栞をめちゃくちゃにしてやる」


俺がそう吐き捨てると吉田泰造が腰を浮かせた。俺はそれを見て、奴より早く立ち上がった。


「おっと、俺をどうこうしようなんて考えるなよな? 俺は遺書を書いてあるんだ。“もし俺に何かあったら、それは吉田泰造の仕業だ”ってな」


口が止まらね……

遺書を書いたなんて、まったくのハッタリだ。勝手に口から出やがった。しかし、咄嗟に思い付いた割には上手い考えかもしれない。吉田泰造が人を使って俺を抹殺するのを、今ので防げたかもしれないからな。


「最後にもう一度言う。おやじさんに……、松本和夫に謝罪しろ!?」


俺はそう言ってから心の中で願った。吉田泰造が謝罪するのを。
だが、吉田泰造は立ち上がったまま、微動だにせず俺を睨むだけだった。


「クソッ! この頑固野郎! 後悔しても遅いからな!」


俺は、そんな捨て台詞を残して会長室を後にした。

なんか俺……すげえ悪者になった気分だ。