令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

「何だと……? “断る”だあ? 栞がどうなってもいいのかよ?」

「それとこれとは別だ。わしは自分に非がない限り、人に頭を下げん。それがわしの信念だ」

「何が“非がない”だよ? あんたの判断で人がひとり死んだんだぞ? それでも非がないって言うのかよ?」

「そうだ。わしは経営者として当然の判断をしたまでだ。気の毒じゃが、君の父上は死ぬべきではなかった」

「じゃあ、おやじさんの自業自得だって言うのかよ!?」

「そこまでは言わないが、父上は色々と判断を誤った。売れるわけもない玩具を大量に輸入したのがそもそもの誤り。そして、返済の見込みが全くないまま、融資を依頼して来たのが次の誤り……」

「黙れ! おやじさんの悪口は聞きたくない! 吉田グループは儲かってるんだから、少しぐらい融資したってよかっただろ?」

「いくらうちでも、億単位の金をおいそれとは出せん」

「億……?」


そんなにかあ……


クソッ。今日は何もかもが誤算続きだ。
俺は、吉田泰造はすんなり謝罪すると思っていた。栞が大事なはずだから。

たとえそれが、見え透いた形だけの謝罪だったとしても、俺は敢えてそれには目をつぶってもいいと思った。それなのに……