令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

「わしは隠ぺいなどしておらん」

「嘘だ!?」

「嘘ではない。なぜわしが隠ぺいした事になるのか、逆にその根拠を聞きたい」

「根拠だ? 根拠も何も、みんなその事を知らないし、マスコミだって取り上げなかったじゃないか……」

「それは知らないからではなく、話題にしなかっただけだろ?」

「……ああ、なるほどな。あんたは立場を利用し、無言の圧力を掛けたわけか。そして、自分では何もしてないという……。やり方が汚いな?」

「何を馬鹿げた事を……」

「ま、それはどっちでもいいが、とにかく、あんたが俺のおやじさんを死に追いやった、という事実は認めるんだな?」


そう言って俺は吉田泰造が答えるのを待ったが、吉田泰造は俺をジッと見たまま口を開こうとしなかった。