令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

「あんたは、おやじさん、つまり松本和夫の死と、あんたとの関連を上手く隠ぺいしたつもりだろうが、知ってる人間だっているんだぜ?」

「何の話だ?」

「惚けるなよ。俺はあの日、おやじさん本人から聞いてるんだ。"これから会長さんに頼んでみる。会長さんなら、きっと助けてくれると思う”ってな!」


ああ、くそっ。思い出したら涙が出ちまいそうだ。


俺はあの日の事を今でもはっきりと憶えている。窮地に立たされ、疲れきってやつれたおやじさんが、出掛け際に俺に言ったその言葉と、その時見せた久しぶりの笑顔を。


俺は、そんなおやじさんを笑顔で送り出した。まさかそれが、俺が見る最後のおやじさんの姿とは知らず……


「君は思い違いをしている」

「な、なんだと?」