「俺もそう思う」

「わ、わかりました」

私達の勢いに押され、渋々という感じでその人がそう言うと、「なるべく有りのままに話してください」と、悠馬さんが言い添えた。


「はあ……。私は車輌部の課長で小林と申します。昨日、社長から直々に電話が来まして……」


小林さんという方のお話を要約すると、こうだった。

昨日、社長、つまりパパから小林さんに電話が来て、私的な事で申し訳ないが、頼まれてほしい事があると言われた。

その内容は、水曜日を除く毎日のこの時刻に、私がアルバイトをするこのお店に会社の車で来て、私がお店を出て来たら、真っ直ぐ家まで送ってほしい、というものだった。

小林さんがいつまでかと聞いたら、期限は決められないが、そう長くはないはずだと。そして、その事は内密にしてほしいと……


それを聞いて、私は変だなと思った。確信はないけれど、パパは公私混同はしない人だと思っていた。それなのに、会社の人を私用で使うなんて、ちっともパパらしくないと思う。

しかも余程の事ならいざ知らず、たかが娘の、ましてやもうすぐ二十歳になろうかという娘の迎いだなんて……


「水曜は店の定休日だからな……」


「あっ」

それよ。それだわ。

悠馬さんの一言で、ようやく私は気が付いた。さっきから感じていた、違和感の正体に……