令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

「店長さん、どうされたんですか? お顔が……」


店長さんの左のお顔が腫れていて、更に頬の辺りは黒ずんでいた。


「え、ああ、ちょっとね……」


と言いながら、店長さんはそれを隠すようにお顔に手を当てたのだけど、その手も、ちょうど拳のあたりが赤く腫れてるように見えた。何かあったのかしら……


「大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫さ、これぐらい……」

「そうですか?」


と、その時、「お先……」と言う声がして、そちらを見ると、お仕事を終えた杏里さんがお店を出て行くところだった。


「あ、杏里さん、ちょっと待ってください!」


私はすかさず杏里さんを呼び止め、小走りで彼女に近づいて行った。