令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

「“次の日”って?」


すかさず裕子さんが質問した。次の日って、何だっけ……?

ああ、思い出した。


「悠馬さんがお祖父様の会社を見学に行った事?」

「そうよ。松本君は何か言ってた?」

「えっと、メールでだけど、確か“でかい会社だった”とか、“俺もああいう会社で働きたい”とか、そんな事を言ってたと思う」

「それだけ?」

「うん、そうだけど?」

「例えば、どんな部署を見学したとか、そういう話は?」


裕子さんにそう聞かれたけど、私は「何も……」と答えた。そういう具体的な話は聞いてないから。すると、


「それも怪しいわね……」


と裕子さんは言い、ママも、「そう言えばそうね……」と言って頷いた。


「ちょ、ちょっと待って。悠馬さんも怪しいの?」

「それはわからないわ。でも、とにかく何かが起きてる気がするわね、男達の間で……」


ママがそう言い、裕子さんも頷いていたけど、正直言って私はママ達の考え過ぎじゃないかと思った。


いずれにしても、私は明日からお仕事を再開する。そして、ようやく悠馬さんに会える。私が悠馬さんと一緒に働いている事を、ママは感付いているかもだけど、パパは知らないはず。だから大丈夫。そう思ったのだけど……


それが甘い考えだという事を、この時の私は知る由もなかった。