「そうなんだ……。実はね、私も変だなと思ったの。お正月に、しかも栞ちゃんまで一緒に遊びに来るなんて、今まではなかったから」


ママの説明を聞き終えると、すぐに裕子さんはそう言った。


「吉田君ったら、何を企んでるんだろう……。あ、ごめんなさい?」

「ううん、いいの。私もそれを考えていたから」


二人の会話が私にはよく分からない。


「あの、パパが企むって……?」

「そうと決まったわけじゃないのよ? ただ、そんな気がするのよね……」


裕子さんは半信半疑って感じだけど、



「私は間違いないと思う。亮は私や栞に隠し事して、何かを企んでいるんだわ」


と、ママは断定的だ。


「ママ……?」

「今日だって、こちらに来てすぐに亮は神埼さんと密談を始めたでしょ? 昔から亮は、何か悩みや相談事があると、すぐに神埼さんに相談していたの。今回も、きっとそう」

「私はてっきりお仕事のお話だと思ってた」

「その可能性はあるけど、たぶん違うと思うわ。私はね、栞、あなたの事を相談してるんじゃないかと思ってるの」


「えっ? わ、私……!?」