令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

「いらっしゃいませ」


だだっ広い玄関でバカ丁寧に俺を迎えたのは、歳は60前後と思われる女性だった。おそらくこの家の家政婦なのだろう。

相手が家政婦と言えども悪い印象を与えてはいけないから、「お邪魔します」と俺も丁寧に頭を下げ、栞に促されて家に上がり、コートを脱いだ。


「みんなは?」

「客間にお集まりですよ」

「そう? ありがとう」


栞が俺を見、俺が頷き返すと、家政婦の後に続く格好で俺達は幅の広いフローリングの廊下を並んで歩き始めた。


それにしても広い家だ。外観から想像してた以上に中は広い。俺んちのアパートなんて、比べものにもなんねえ。クソッ。


おやじさんが生きてて、会社が上手く行ってれば、今頃は俺だって……